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JMDCのエンジニアブログです

スタートアップの開発責任者から上場ベンチャーのPdMに転身して1年を振り返る

こんにちは、こんばんは。株式会社JMDC 製薬本部企画部 兼 プロダクト開発部の小邦です。

当社が製薬企業向けに提供しているヘルスビッグデータの分析を行えるプロダクトであるJMDC Data Mart(愛称:JDM)のプロダクトマネージャー(以下、PdM)を務めています。JDMは提供16年目を迎えたご長寿プロダクトで、今なお社内における売上貢献度が高い重要なプロダクトの1つです。

 

今年、JMDCではアドベントカレンダーに参加しています。

qiita.com

この記事はJMDC Advent Calendar 17日目の記事です。

 

記事を書いているのは2023年12月1日。昨年の12月1日に入社してから、ちょうど1年を迎えました。

この記事では前職でスタートアップ企業の開発責任者を務めていた私が、上場ベンチャーであるJMDCでPdMを1年間務めて感じたことや、気づきを述べていきたいと思います。

 

この記事に書いてあること

  • その判断 いなくなっても 残ります
  • 良質な 問いに答えて 超成長
  • アジャイルを やって価値出る PdM
  • JMDC すごく良いとこ オススメです まずカジュアルに 話しましょう

 

自己紹介

はじめに、私のキャリアについてお話させていただきます。

大学院の博士前期課程を修了後に、大手外資系コンサルティングファームに入社、、、、、予定だったのですが、入社1ヶ月前に内定を辞退し、前職の医療系ITスタートアップ企業に入社しました。

前職では新サービスの立ち上げに企画から開発まで携わったり、コンペの応募責任者を務めたり、toC向け事業の強化に向けたプロジェクトのリーダーを務めたりと、The スタートアップという感じで、多様な業務を経験しました。その後、開発部門の責任者を任され、ピープルマネジメント、オフショアマネジメント、プロダクトマネジメントなど、プロダクト開発に関連する業務を幅広く担当しました。

新機能の開発、既存機能の改修はもちろん、インフラの整備や技術負債解消に向けたプロジェクトなどをリードし、入社当時は1万人に満たなかったユーザーの120万人超への拡大に貢献しました。

熱しやすく飽きやすい性格なので、スタートアップの変化、変化、変化の環境は自分の性に合っていました。しかし次第に、様々なプロダクトを提供している環境で自身の引き出しを増やしたいと考えるようになり、同じヘルスケア業界であり、多くのプロダクトを提供しており、事業に大きなポテンシャルを感じたJMDCへの転職を決意しました。

入社後は、製薬向けの事業を展開する製薬本部に所属(2023年10月からプロダクト開発部と兼務)し、製薬企業向けのデータ分析プロダクトである「JDM」のPdMを務めています。

JMDCで提供しているプロダクト

本題から少し逸れますが、続いて当社で提供しているプロダクトについてご紹介します。

 

まずは、私がPdMを務めるJDMについてご紹介します。

弊社では、保険者(主に健康保険組合)、医療機関、調剤薬局と3種の性質が異なるリアルワールドデータを集積しています(図1)。

図1. JMDCが集積しているリアルワールドデータ(一部)

これらのデータは、それぞれ得意とする事柄が違っています。例えば、保険者データでは患者が転院しても、複数の医療機関を受診しても、患者の動向を追跡できますが、医療機関データ、調剤薬局データでは施設を跨った追跡はできません。

JDMではこうしたデータの特徴を踏まえて、製薬企業のマーケティング活動や医薬品の安全性監視の一助となる分析機能を提供しています。患者数はどの程度いるのかといった市場の評価をはじめ、適切な処方がなされているのか、予期せぬ副作用が生じていないかといったモニタリングなど、製薬企業で行われる業務に貢献する幅広い機能を搭載しています。

 

当社では、JDMの他にも健康推進アプリの「Pep Up」や保健事業の支援を行う「らくらく健助」など、多様なプロダクトを提供しています。また、グループ会社のアンター株式会社が医師向けに提供するサービスや、株式会社cotreeが提供するオンラインカウンセリングサービスなど、お恥ずかしい話ですが私も把握できないほど多くのサービス・プロダクトが当社グループから提供されています。

stories.jmdc.co.jp

stories.jmdc.co.jpqa.antaa.jp

cotree.jp

また、当社ではグループ会社とのシナジーによって、「健康で豊かな人生を すべての人に」届けるべく、グループ内での交流を積極的に行っております。例えば、グループのエンジニア全員を対象としたエンジニア勉強会を月に一度開催したり、グループ会社との定期的な意見交換の場を設けています。

techblog.jmdc.co.jp

最近では別のPdMが医療機関の情報を探していたので、グループ会社を紹介するという経験をしました。グループインして終わりではなく、グループ会社とのシナジーによってサービス・プロダクトに磨きをかけることができており、こういったことは当社だからこそできることの1つだと感じています。

JMDCに入社して1年を振り返る

さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは主題の通り私がJMDCに入ってPdMを1年務めて感じたことや気づきを述べていきます。

自身の意思決定はプロダクトに関わっている期間よりもずっと長く残る

1つ目は当社で学んだというより、前職で関わっていたプロダクトを外から見て学んだ事柄です。

 

プロダクトに関わった人たちの足跡は、プロダクトが存在する限り何らかの形で残り続けます。エンジニアの場合はソースコード、デザイナーの場合はデザインといった具合です。

PdMの場合は何でしょうか?そうです、数え切れないほど行ってきたプロダクトに対する意思決定です。機能を作るという判断をしたにせよ、逆に作らないという判断をしたにせよ、その意思決定はプロダクトに刻まれます。

何らかの意思決定をする際に必要な情報が全て揃うことなんてまずありません。そんな中、次々と続く面談で疲れていようが、体調が悪かろうが意思決定を下さなければならないというのが、PdMという立場のシビアな部分です。

プロダクトビジネスに正解はないと思います。しかし、PdMが行った意思決定は良くも悪くもプロダクトに残り続けます。別のプロダクトに移ろうが、他の会社に移ろうが消えることはありません。文字通り意思決定がプロダクトに関わっている期間よりもずっと長く残り続けるのです。

 

離れた場所から以前関わっていたプロダクトを眺めていて、このことを強く意識するようになった1年でした。自身の意思決定は会社の未来をも変える可能性があるということを意識して、PdMとしての業務にあたっていきたいと思います。

良質な問いがPdMを成長させる

当社にはマッキンゼーやBCGなど名だたるプロフェッショナルファームや、大手製薬企業から転職してきた優秀な人材が数多く在籍しています。手前味噌になりますが、専門性と人並み外れた思考力を持つ彼/彼女らと仕事ができるのは、私がJMDCに入ってよかったと感じる点の一つです。

一方で、テクノロジーがバックグラウンドにあり、製薬業界のドメイン知識がない私にとってシビアな環境でもあります。詰めの甘いアイデアを出そうものなら、「それはあまり刺さらないと思う」とか「このデータだとそれはできないよ」といった容赦のない指摘が飛んできます。笑

このようなドメインエキスパートや思考力に長けた人材と仕事をしてきた結果、自ずと思考が研ぎ澄まされ、アウトプットの精度も高まってきたと実感しています。アジャイルにプロダクトを開発して、失敗と成功を繰り返しながらプロダクトを開発していくのもPdMの成長の形の一つです。でも、しなくてもいい失敗を避けて通れると、限られた時間の中でプロダクトの価値を最大化(=PdMとして進化)できますよね。

ドメイン知識を深め、自ら良質な問いができるようになるのが理想形かもしれませんが「ヘルスケア」という領域1つとっても、JDMのような製薬向けのtoBプロダクトもあれば、Pep Upのような健康増進のためのtoC向けプロダクトなど、非常に多岐に渡るサービス・プロダクトが存在します。

このように同じヘルスケア領域のプロダクトであっても必要なドメイン知識が全く異なるため、余程のことがない限りドメイン知識が深い分野のプロダクトにずっと携わり続けるというのは難しいと思います。そんなとき、良質な問いが飛んでくる環境というのはPdMを成長させるなあ、と考えた1年でした。

PdMの真価を発揮するアジャイルな環境

今でこそJDMチームではスクラム開発を行っていますが、私が入社した当初は典型的なウォーターフォール開発でした。仕様確定後は開発フェーズに移行し、開発チームでのテストが終わると、受け入れテストで成果物をレビューするという流れでした。しかも、リリース時期を約束してしまっている都合上、受け入れテストで問題が見つかってもいくつかの指摘項目はリリースまでに修正しきれないという状況でした。

 

経験がある方なら共感いただけると思うのですが、この状態からすぐにアジャイル開発に切り替えるのは困難です。入社後日も浅く、今のように兼務もしていなかったので、開発チームとの距離もある状態でした。

そこで私は、開発フェーズにおいて細かいスパンででき上がった部分をレビューするというアジャイルの思想に近い仕組みを導入するとともに、リリース時期に関するステークホルダーや顧客とのコミュニケーションに関しても見直しを図りました。その結果、開発の速度自体は低下したものの大きな手戻りが減るとともに、何よりリリース時点で品質を確保することができるようになりました。

この経験を通じて、私見ですが「アジャイルな環境では、特にPdMの存在価値を発揮できるのではないか」と感じているところです。

まとめ

ここまでJMDCでの1年間を振り返っての学びを述べてきました。いま振り返ると、あっという間に時間が過ぎた1年で、誇りに思うこともあれば、もっとやれたんじゃないかという後悔している部分もあります。

文中でグループ会社とのシナジーを発揮できる環境と述べましたが、私は当社グループが持つポテンシャルはもっと強大なものだと思っていて、まだまだ本来の価値を発揮することができていないと感じています。PdMとして、この1年でそれを引き出せなかったことが後悔の1つです。

そこで次の1年はPdMとして、3つのシンカにこだわって仕事に取り組んでいきたいと思います。

  • データへの理解やドメイン知識などを深化させ、
  • 自分自身がPdMとして進化し、
  • グループの真価を発揮できる

それにより、健康で豊かな人生をすべての人に届けていきたいと思います。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

明日18日目は、海外サッカーのシーズンが始まり睡眠不足気味の西原さんです!お楽しみに♪

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