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ゆる~いLT会を通して「何者...?」状態から「〇〇〇の人だ!」状態に変化してきた話

こんにちは!プロダクト開発部の西川(@zuzuru_it)です。

皆さんが所属しているチーム、グループ、はたまた部門などの組織内で周りの方の情報をお互いにどれだけ認識できていますか?
ここでいう情報とは「担当しているプロダクト」「技術スタック」「経歴」「趣味」などたくさんありますが、
組織の規模が大きくなればなるほど、情報の解像度が低くなっていくと考えています。また、最近ではリモートワークの普及によりさらに加速させている印象です。

このように相互把握の機会が減少している状況が続いてしまうと、心理的安全性の低下からチーム・グループの垣根を越えたコラボレーションの機会が失われてしまい、
ひいては開発組織としての競争力低下に繋がるおそれがあると考えています。

この記事では、コラボレーションの前段階として、相互把握の機会を作りながら心理的安全性を高めることを目的に、
LT会を実施するにあたって工夫したことや結果どうなったかを書いていきたいと思います!

 

なぜLT会なのか

 「何者...?」

私が入社した当時、プロダクト開発部(20人前後)では下記の要因により相互に把握している情報が不足している印象を受けました。

  • 基本リモートワークなので偶発的な会話が生まれない
  • システムがたくさんあり、技術スタックがバラバラなためそれぞれのグループ、チーム内でクローズな状態となっている
  • 新しいメンバーがどんどん増えていた

その結果、「何者...?」状態となっていました。
入社時の自己紹介があり何となくの情報は得られるのですが、時が経つとその後の状況がよく分からないため、「何者...?」状態が深刻になっていきます。

相互把握の機会を作りたい

そこで、相互把握の機会を作るためにはどうすればいいのかと考えたときにまず出たのがLT会です。
LT会がうってつけだと思った理由は以下の通りです。

  • 自己紹介を兼ねられる
  • 誰が何をやっているかが記憶・記録として蓄積される
  • プレゼンスキルも伸ばせる

スライドの形にして発表することにより、その場で複数人が同時に情報を得ることが出来るうえに、発表資料をストックしておけば後からいつでも参照できるなど、いいこと尽くしではないかと思います。

なぜゆるくしたのか

LT会の課題あるある「発表者がなかなか集まらない」

さあ、LT会を始めてみましょう!と雑にスタートしたいところですが、どうやらLT会を運営するにあたっての課題が様々あるようです。皆さんの周りで実施されている社内LT会はいかがでしょうか?
例えば

  • 発表者がなかなか集まらない
  • 参加者が少ない
  • 運営が大変

などが挙げられます。
この中でも特に「発表者が集まらない」が苦労する部分だと考えていて、部内でこのままLT会をスタートしてもこの問題にぶつかりそうだったのでちょっとブレーキをかけました。

ハードルを低くする必要があった

そもそも発表者が集まらない原因はなんでしょうか。考えられる原因は以下が挙げられます。

  • 何を話せばいいかわからない
  • レベルの高い内容を求められている気がする
  • 準備が大変
  • 人前で話すのが苦手

「何者...?」状態ではほぼ満たしてしまいます。
そこで、とにかくゆるくしてみることにしました。ゆるくしてハードルを低くすればなんとかなるだろうと。

ゆるくするために実践したこと

ここからは私一人だけではなく、運営メンバーを募って複数人で進めていきました。
実践したものをご紹介していきます。

テーマをとにかく広げてみる

とにかく広げます。以下のような感じにしてみました。

もちろん技術関連もありつつ、プライベートの話もOKにしています。
本気で食べてほしいラーメンの話もOKです。

発表時間を1分からにする

1~10分 ぐらいとしてみました。かなりざっくりです。
そんなに話せない方は1分でもいいし、話したい方はどんどん話してOKという感じにしています。

発表者を自薦だけでなく他薦でも募ってみる

発表者は自薦だけではなく他薦でも募ってみることにしました。スプレッドシートで作成したネタ帳を用意しています。

「何を話せばいいか分からない」や「この話興味ある人いるのかな?」と躊躇している方にとっては、話してほしいテーマを明確に提示してくれるうえに興味ある人がいることが事前に分かるというのがメリットだと考えています。

準備時間にざっくりと制限を設ける

作りこみすぎによるハードル上昇の防止策です。目安4時間前後としましたが、あくまでも目安ではあるので気持ちそれくらいにしてね、という抑止ですね。

どうなったのか

無事に継続!回数を重ねるごとに徐々に 「〇〇〇の人だ!」状態へ

発表者が途絶えることなく、無事にLT会を6回実施できています!発表数は今のところ11枠。

  • 自薦:おすすめ本紹介
  • 自薦:MUIのテーマ機能を活用した話
  • 他薦:ラーメン道
  • 他薦:C#APIにSwagger導入した話
  • 自薦:COVID19 Tracing App
  • 自薦:Flaskを使ってみた
  • 他薦:航空機製造における品質とコスト~トルクレンチ編~
  • 他薦:困難を分割する技術①~ソシャゲは人生~
  • 自薦:最強の伝え方を考える
  • 他薦:3Dプリンターのすすめ
  • 他薦:ログ収集を簡単にした

プライベートから技術関連とテーマも幅広く、発表時間も1分のものから10分前後まで。
また、他薦の割合も高く、自薦だけでは継続が厳しかったです。
こうして、LT会の回数を重ねるごとに徐々に「〇〇〇の人だ!」状態へ変化していきました!

「〇〇〇の人だ!」シリーズ

せっかくなので「何者...?」状態から「〇〇の人だ!」状態になった人を一部ご紹介します。

ラーメンの人だ!

「ラーメンの人だ!」


ログ収集改善した人だ!

「ログ収集改善した人だ!」

 

ソシャゲの人だ!


「ソシャゲの人だ!」

まとめ

以上が、ゆる~いLT会を通して「何者...?」状態から「〇〇〇の人だ!」状態に変化してきた話でした。
今度は「〇〇〇の人だ!」状態から「〇〇〇と〇〇〇と〇〇〇と、、、」と、いくつも掛け算された状態で相互に認識されていくことを目指していきたいですね。
そのためにも、LT会の自薦の割合を高くしたり、技術関連のテーマの発表数を増やすためにゆるさをどうコントロールしていくか、そもそもLT会以外の選択肢を取っていくかなど課題はまだまだたくさんあるので、どんどん改善していきたいと思います!