こんにちは。プロダクト開発部の小原です。
本記事はJMDC Advent Calendar 2023 25日目の記事です。
JMDCでは今年初めてAdvent Calendarに参加しましたが、無事完走できて良かったです。
最終日の記事ということで、軽めに入社してからのことを振り返ろうと思います。
背景
入社当時
入社当時は、プロダクトインキュベーション室という新規立ち上げを行う部門に配属されました。 前職・前々職とシリコンバレーのスタートアップの創業メンバーとして立ち上げを経験したので、その経験が活かせるかと思い入社を決めました。
当時は前職がそれなりの規模になってきていて、あまり手を動かさない管理職になってしまったこともあり、IC(Individual Contributor)に戻るつもりでの転職でした。 この辺りの経緯は入社エントリーにも記載しているので良かったらご覧ください。
組織変更
ICに戻るつもりでの入社だったのですが、私の入社後3ヶ月で当時の室長の方が退職を決断され、また同時期に弊社の代表プロダクトであるPep Upを開発していた部門と、私がいた部門が合併し新たな部門が誕生することになり、そこの部長を私が務めることになりました。
導入したこと
ということで、以下では部長になってからやってきたことを紹介していこうと思います。 といっても割と手堅いことをやってきただけという内容ではありますが、お付き合いいただけると幸いです。
組織のアジャイル化
最初からあるあるネタで恐縮ですが、当時は社内受発注のような構造になっていたため、アジャイル化を推進しました。
具体的にはアトラクタ社のスクラムトレーニングをPep Upの関係者が部門横断で受け、スクラムで開発できるようにしていきました。私は前職以前でもスクラムで開発していたこともあり、当初はスクラムマスターを担当し、その後徐々にチームで回せるようにしていきました。
またPep Up以外のチームに関しても、現在はほぼ全チームがスクラム(一部はまだアジャイル開発の手法を一部取り入れているだけの状態)で開発しています。 本Advent Calendarの過去記事にもさせていただきましたが、メンバー主導で進めてくれているチームもあり非常に頼もしい限りです。
開発手法が統一されているのはメリデメあるかと思いますが、弊部ではチーム間でのサポートもしやすくなる等のメリットを感じているため、今後も推進していきたいと思っています。
また、今年度は認定スクラムマスターや認定プロダクトオーナーを取得して頂いたメンバーもいます。 それなりの金額の研修なので一気には増やせないですが、徐々に認定資格保持者も増やしていきたいと思っています。
OKRの推進
これは前身の組織のときからですが、OKRの推進を行っています。
OKRは全社で導入するのが一般的で、開発組織だけで始めるのは若干懸念もありましたが、他社事例などもいくつか見つかったため、まずは開発組織だけでも推進することにしました。 チームとしての目標を立てることで、チームとして皆で同じ目標に向かっていける体制になったのは良かったと思っています。
もともとが社内受発注のような開発、非アジャイルで属人的な開発、個人目標しか立てないというところも多かった状況で、一部のメンバーから「内製チームでの開発というか、個人事業主の集まりみたいになってしまっている」というフィードバックを頂いたこともあるのですが、多少なりとも改善できたのではないかと思っています。
なお、今では一部チームは事業部のメンバーも入ってくれていますが、やはりもっと広げたいところではあります。
ちなみにプロダクト開発部は基本的にはリモート勤務なのですが、四半期に一回のOKR設定・振り返り会では、ほとんどのメンバーが出社して集まって議論しながら目標設定してくれています。その後に懇親会などをやったりと、チームビルディングの一環にもなっています。
チームトポロジーに沿った組織作り
ちょうど2021年末に日本語版が出たこともあり、日本でも各社が採用してきているチームトポロジーに沿った開発組織作りを進めました。 現状だと組織図にはあまり反映できていないのですが、プラットフォームチームやイネーブリングチームといった横断チームを拡充してきています。
プロダクトが増えると横断サポートは課題になってきますが、以前よりはやりやすい体制になったと思っています。 また、元々はいわゆるストリームアラインドチームしかなかったのですが、キャリアプリファレンス的にも専門性を高めたいメンバーもいたため、志向にあった組織にできるようになり良かったと思っています。
ただここはまだまだ改善できる点は多々あるので、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
デザイン改善
Pep Upに関しては、立ち上げ当初は社内に専任のデザイナーもいたようなのですが、途中で離脱しており外注のデザイナーが作ったものを開発チームが実装する形になっていたりしました。
開発者とデザイナーは密に連携が取れたほうが良いため、また、デザインシステムを作り機能ごとにばらばらなデザインを統一したほうが良いという思いからデザイナーの採用や、一部業務委託のデザイナーの力を借りつつデザインシステムの構築を進めました。
ここもまだまだ改善の余地はありますが、メンバーも積極的に関わってくれていてデザイン改善が進んでいます。
派遣社員・業務委託の改善
内製化組織を目指す上で議論の余地があるところですが、
- フルタイムでスクラムチームに入ってくれる方はそのまま
- それ以外の場合は、内製化支援を前提として入ってもらい、その人しか分からないものが無い状態にする
という整理にしました。
もちろんいきなり理想的な状態に持っていくのは困難なので、現状どちらにも当てはまらないところもあるのですが、依頼するタスクを小さく切り出して受け入れコストを削減するよう努めています。
ここは私も知り合いや知り合い経由で入ってもらっている方もいますし、会社として長く付き合いがあるところもあるので、良い関係を続けながらお互いやりやすくしていけたらと思っています。
海外メンバーの参画
メンバーに英語で仕事できる機会を提供できたら良いと思ったのと、当時は受け入れテストをするチームはありましたが、レグレッションテストの自動化がなかったので、元同僚のインド在住のQAエンジニアに参画してもらいました。
ここはまだ課題が多いですが、CIでダミーデータを使った最低限のレグレッションテストのシナリオを回せるようにはなりました。
ただあまりメンバーとして仕事してもらってる感はなく、コードレビューも社内の1人のメンバーがほぼ見てくれている状況になってしまっています。
ちなみに前職では全世界採用をしていたのですが、やはり24時間誰かが稼働してる状況を作り出せると様々なメリットがあるので、個人的には現職でも進めたいとは思っています。
育成体制の強化
上述のスクラムトレーニングに限らず、部内では他にも勉強会をやっています。 輪読会はもちろん、輪読会形式ではない読んだ本の紹介会、新しい技術要素の勉強会等々、幅広く実施しています。
もちろん私以外にも、メンバーが主催してくれているものも多々ある状況です。
特に一部の技術スタックを切り替える際や、普段触れない技術要素に触れるところは、学習対象の技術に詳しいメンバーが学習カリキュラムを作り込み、GitHub上で課題に取り組める仕組みを作ってくれて、他のメンバーもモチベーション高く学べています。
また、一部もともとやっていたところではありますが、若手が入ってきた際にはメンターを付けて育成できるようになっています。
1on1とSkip Level MTG
いわゆるメンバーとマネージャーの1on1は日本でも当たり前になってきたのでこれはうちでもやってますくらいなのですが、Skip Level MTGもやっています。
Skip Level MTGはエンジニアのためのマネジメントキャリアパス等でも紹介されている、いわゆるメンバーがマネージャーのマネージャーと話すMTGです。今は1on1形式で行っていますが、メンバーも増えてきたので今後どうするかは検討中です。
組織が不安定な時期に部が発足したこともあり、様々なフィードバックを拾えるメリットを感じています。
1on1はブログ記事なども多々見かけるようになりましたが、Skip Level MTGはあまり見かけない気がするので、未導入のところはぜひ導入してみるのをおすすめします。
まとめと今後
ということで、入社してからのことを振り返ってみました。
書いたこと以外にも、例えば以前の記事で紹介した組織改善スクラム等をはじめとした様々なことにも取り組んでいます。
部内外の方々の協力もあり、一定の組織改善が進められたとは思っています。
ただ部長になってから2年弱もあった中では、力不足を感じることも多かったです。
組織の立て直しから始まって、その後も炎上しているところの支援などの応急処置も多かったため、組織的なところはあまり進められていないのが現状です。
今後は組織的な改善を一層進めて、安定して高い生産性を発揮できる組織を目指していけたらと思っています。
ということで、この辺りを一緒にやってくれる仲間を全方位で募集しているので、以下よりぜひご応募ください!
まずはカジュアルにJMDCメンバーと話してみたい/経験が活かせそうなポジションの話を聞いてみたい等ございましたら、下記よりエントリーいただけますと幸いです。
★最新記事のお知らせはぜひ X(Twitter)をご覧ください!