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データ基盤エンジニアが選んだのは医療ビッグデータの付加価値を高められる会社

医療ビッグデータを活かした事業を幅広く展開しているJMDCでは、様々な分野のスペシャリストが活躍しています。今回、インタビューを実施した松原さんはデータ基盤開発のスペシャリスト。なぜJMDCを選んだのか、具体的にどんな業務を行っているのかについて聞きました。

<プロフィール>
松原 (まつばら)データウェアハウス開発部 医療機関基盤グループ
SIerでWebアプリケーション開発、インフラ構築などを担当。リブセンスに転職後、異動をきっかけにデータ基盤開発のスペシャリストを志向し、2021年12月にJMDC入社。テックリードとして、クラウドなど技術面の課題解決に取り組んでいる。

異動をきっかけにデータ基盤エンジニアの道へ

ーーはじめに、これまでのキャリアについて聞かせてください。
長らくSIerでWebアプリケーション開発、インフラ構築など幅広く業務を行ってきました。SIer時代に身に付けたクラウド基盤に関する知見は、今でも活きています。その後、転職したリブセンスでは、途中からデータ分析基盤の開発・運用を担当。前職も含めて、データ基盤開発には5年ほど携わっています。

ーーリブセンスでは、具体的にどのような業務を行ったのでしょうか?
リブセンスで提供しているサービスのデータを集めるシステム構築を行いました。ユーザーの行動データの収集・分析のための基盤を開発・運用していました。ユーザーがサービス内を回遊してどのようにコンバージョンに至ったか、コンバージョン率を把握するためのデータ収集をしていたという感じです。

具体的には、速報的な情報を出すためのリアルタイム処理層に加えて、より正確な集計を行うために1日1回データを生成するバッチ処理層を導入しました。バッチ処理層を追加することで、過去データの洗い替えも比較的容易に行えるようになりました。扱うデータ量が多く大規模なプロジェクトで、現状動いているシステムからのリプレイスだったため、既存システムから置き換えることでデータ上問題が出ないかどうか、かなり気を遣いましたね。

ーー以前からデータ基盤のスペシャリストになりたいという想いがあったのでしょうか?
いえ、もともとそういう想いはありませんでした。データ基盤エンジニアになったきっかけは異動なので、本当に偶然です。データ基盤開発は、幅広い分野の新たな知識をキャッチアップしていく必要があるのですが、それが自分にとっては1つの分野を深く突き詰めるよりも向いていると感じました。データ基盤開発はインフラからソフトウェアまで取り扱う範囲が広く、様々なものを組み合わせていくのが特徴です。大量のデータを扱うため、どのような仕組みで処理をするのが効率的か、べき等性を確保できているかなどを考えながら仕事をできる点も面白いポイントです。

ーーそこから、データ基盤のスペシャリストの道に進んでいくわけですね。
そうですね。リブセンスでは3年ほどデータ基盤開発を担当し、安定して運用できる基盤を作ることができました。そこで新しいチャレンジをしたいと考え、データ基盤エンジニアに絞って転職活動を行い、ソフトウェア開発会社へ入社。しかし、データの活用方法などがオファー時の内容と大きく乖離した状況が続いたため、再び転職活動をして、2021年12月にJMDCに入社しました。

ーーなるほど。それでは、JMDCへ入社した理由はデータの活用方法が確立されている企業だったためということでしょうか?
入社の決め手は2つあります。1つ目は、データがビジネスとして確立されていること。データエンジニアとして働くと考えると、既にデータに価値がある会社で働いた方が良いと思いました。

収集したビッグデータが完全にビジネスとして成立している点が魅力的に感じました。データを収集してから「ビジネス上どのような価値があるのか、どこに需要があるのか」について悩む必要がないので、データの品質を上げることや、より多くのデータを集めて付加価値を高めることに集中できるのです。

▲医療ビッグデータの利活用

2つ目は、社会貢献性です。年齢を重ねるにつれ、医療費の高さを実感する場面が増えてきました。JMDCであれば、医療費増加の対策など社会貢献ができると感じたため、入社を決めました。

入社直後からテックリードとして活躍

ーーJMDCに入社されてからのお話をうかがいます。具体的にはどのような業務に取り組んでいるのでしょうか?
ポジションはテックリードで、クラウドなど技術面での課題解決や医療機関データベースシステムの開発・改善を行っています。主な業務内容は2つあります。1つ目はAWSでの開発環境作成です。もともとAWSの開発環境は、画面を1つ1つ見ながらやらなければいけない、とても開発しづらい状態でした。開発段階でもクラウド基盤で本番の1つ前段階にあたるステージング環境と同じような環境を簡単に作れるように今、テンプレート作りに取り組んでいます。

2つ目がAWSコスト最適化です。ちょうどクラウドに移行が完了した段階で私は入社したのですが、現在コストがどのくらいかかっているのかを計測し、もっと効果的にAWSを利用することができるのではないかと考え、日々改善作業を行っています。

クラウドの仕組み上、ある意味当然のことですが処理するデータ量が増えれば増えるほど、コストがかかるシステムになっています。現状よりもコスト効率を改善するべく、たとえば、ストレージのオプションを変更したらコストはどう変わるかなどを少しずつプランを変えて検証しているところです。毎月どのサービスでどれくらいコストがかかっているのか、先月と比べて変化はどうか、などの状況を把握し、毎月月初にまとめて、チームで共有しています。単純にコストをかければいいという発想ではなく、どうしたらコストを抑えながら大量のデータを処理できるかを考えています。

ーーその他に、取り組んでいることはありますか?
2年に一度診療報酬改定があり、その開発にも携わっています。診療報酬改定による項目の追加や変更に対応して、データのクレンジング処理の追加などを行いました。私はこれまで医療業界での経験はなく、医療データに対する知見がないため、医療データのフォーマットが詳しく説明された資料を読みこんだり、実際にデータを見たりしながら学ぶ良い機会になりました。

また、部署内でクラウド初心者向けのハンズオンの講師も担当。クラウドを利用するうえでの注意点を共有し、みなさんに簡単なWebシステムの環境を作ってもらいました。これから少しずつクラウドを使っていく段階で、まだ詳しくない方もいるので。自分は前職までの経験でクラウドの使用経験が比較的多いため、様々な相談を受けることもありますね。

ーーデータ基盤エンジニアのスペシャリストである松原さんに、クラウドを構築する際に意識すべきことをお聞きしたいです。
AWSのリソースで作るものなどに関して、命名規則を定めること、タグをきちんとつけること、ログを取得すること、Trusted AdvisorなどAWSが提供するベストプラクティスにできるだけ沿うことです。また、これらができない場合には、なぜできないのかをチームで共有し明文化しておくと良いでしょう。基本的なことではありますが、最初にしっかり設定しておかないと、後から修正するのにかなり苦労します。

名前の付け方を統一するためには、まずドキュメントで命名のルールを作って明文化し共有することと、レビューの際にしっかりと名前をチェックすることがポイントになります。私はレビュー担当なので、それぞれの名前をチェックして、分かりやすくなるように整理している最中です。

当たり前のことを当たり前に

ーー実際に入社されて感じるJMDCの魅力を教えてください。
JMDCの魅力は3つあります。1つ目はやりがいを感じられる医療データに携われることです。医療データは量も多いですし、やはり社会貢献性の高いデータだと考えています。そういった部分では働きがいを感じます。

▲JMDCの保有する医療ビッグデータ

2つ目は挑戦できる環境である点です。JMDCは現在、変革期で様々な側面において改善していく段階です。現状をより良く変えていこうという空気感があるため、これまで自分が培ってきた知見や経験を活かして、積極的に挑戦できると思います。

3つ目はスキルが身に付く点です。私はこれまで様々なデータを扱ってきましたが、なかでも医療データはクレンジングや標準化のステップが多く構造が複雑で、特徴的なデータと言えます。データの処理方法にも癖があり、正直難易度は高いです。だからこそ、データ基盤エンジニアとして、より高度なスキルを身に付けられると思っています。

ーーJMDCの社風、カルチャーはどのように感じますか?
積極的に学ぶ文化があると感じます。毎月、子会社も含めた勉強会が行われ、他部署ではどのようなことをやっているのかを知る機会があります。特に私は医療業界は初めてなので、みなさんのお話はとても新鮮で面白いです。

また、部署内でも週に1回、勉強する機会があります。病院データなど現在業務で取り扱っている分野での細かい知識を皆で学んだり、技術書を輪読したり。チームとして一緒に成長していく雰囲気があるのは、とても良い環境だと感じます。

ーーデータ基盤エンジニアとして、今後の目標を教えてください。
当たり前のことを当たり前にできるようにしたいです。言葉にすると簡単に聞こえますが、実際はそう簡単ではありません。当たり前のことが当たり前にできるためには、様々な努力の積み重ねが必要です。「これくらい大丈夫だろう」と少し手を抜いてしまうと、システムとして当たり前にできていたことがどんどんできなくなってしまいます。当たり前だと思っていたことは、ちょっとした妥協から一気に崩れてしまいます。とにかく妥協せず、高い基準を持って仕事に取り組んでいきたいです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。
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