こんにちは。データウェアハウス開発部 データレイクグループの吉野です。
皆さんはファシリテーターを務めたことはありますか?
データウェアハウス開発部では2ヶ月に1回、部内で研修を行っています。
研修では社内講師の講習を聴いて各自が所感や疑問を書き出し、それをもとにグループに分かれてディスカッションを行うのですが、ここで重要な役割を担うのがファシリテーターです。なんとなく避けられがちな役ではありますが、それならばと私がファシリテーターを務めることにしました。
ではそもそもファシリテーターとは何なのか、どのようなことに気をつけるとよいのか、私の体験を交えて紹介していきたいと思います。
<目次>
ファシリテーターとは
ファシリテーター(facilitator)とは、英語で「助ける、手伝う」といった意味を持つ”facilitate”が元になっている言葉で、グループやチームの話し合いや活動がうまく進むようにサポートする役割の人のことです。簡単にいうと、みんなが話しやすいように助けたり、考えをまとめたりする人です。
当初私は「ファシリテーター」と聞いて、ディスカッションの時間管理や進行役を担う人のことかな、とふんわりとしたイメージを持っていたのですが、そのような場合は「モデレーター」という役割が当てはまります。以下に「ファシリテーター」と「モデレーター」についてまとめてみました。
つまり、ファシリテーターは「みんなが議論に参加しやすいように、あの手この手で助ける人」、モデレーターは「議論の収束を目指して話の進行を管理する人」といったところでしょうか。
ディスカッションの内容によってどちらの役割を置くのが適切かは変わってくると思いますが、自分が進行を担うことになった場合、どちらの役割がよいのか、その違いを意識しておくと議論の進行をスムーズに導くことができるかもしれませんね。
いざ、ディスカッション!!
ファシリテーションについて学ぶことができたら、あとはもう実践あるのみですよね。
最初は緊張もあってぎこちなかった私ですが、回を重ねるごとに緊張もなくなり、良いファシリテーターに必要な要素が見えてきました。
<吉野が考えるファシリテーターに必要なもの>
1. 何事にも事前の準備
a. 情報の整理
b. アジェンダの作成
c. 雰囲気づくりのネタ準備
d. プレディスカッション
2. 内なる声を引き出す、傾聴力
3. 要約力と段取り力
1.何事にも事前の準備
物事をスムーズに進めるためには、しっかりとした事前準備が不可欠です。ディスカッションを進めるにあたり、私は次のような準備をしました。
a.情報の整理
類似点や相違点、誰がどのような見解を持っているのか把握するため、研修内でメンバーが書き出した所感や疑問を共有してもらい、マインドマップを使って整理しました
b.アジェンダの作成
メンバーから議論の要望がないかヒアリングしながら、興味・関心事や深堀りできそうな話題を考慮してアジェンダを作成しました。
c.雰囲気づくりのネタ準備
この研修でのディスカッションには社内のコミュニケーションを活性化したいという側面もあり、カジュアルな雰囲気作りを目指してアイスブレイクネタを準備しました。
<アイスブレイクネタの例>
・Slackの個人アイコン選定理由(なぜそのアイコンにしたのか)
・嘘つきエピソード(体験談などで嘘と本当の話を用意し、それぞれの嘘を見抜く簡単なゲーム)
・季節ネタ(暑さ対策、年末年始なにする?など)
d. プレディスカッション
本番前にファシリテーター役が集まり、擬似的なディスカッションを進めながらファシリテーターの役割を確認するプレディスカッションを行いました。これにより、自分の果たすべき役割をより具体的にイメージして本番に臨むことができました。
2.内なる声を引き出す、傾聴力
参加者同士の対話を促すうえで非常に重要だと感じたのがこの傾聴力です。
ディスカッションの場において、所感や疑問を書き出した内容を読み上げてもらい、「これについて何か意見はありますか?」というように漠然と話を振るだけでは、回答を得られなかったり、話し手が詰まってしまったりしてしまいます。
このような場合にはなぜそのように感じたのか、なぜそのような疑問を抱いたのかという背景にも目を向けることで議論が進めやすくなるように感じました。過去の体験やその考えに至った経緯などを話すことで、「実は自分も…」という相乗りが生まれ、議論が深まる場面が多く見られたのです。
3.要約力と段取り力
議論が深まり発話が増えると、どうしても取り扱う情報量が増え、収集がつかなくなっていくものです。そこで、要所要所でそれまでの情報を整理して要点を押さえ、話したいことの本質を捉えていくことが必要です。そしてファシリテーターとして、整理したことをわかりやすく共有し、その後の話し合いがスムーズに進むよう話題を組み立てていくことが必要です。
例えば、「いまの話で◯◯という点は、Aさんとも共通する意見のように見えますが・・・」といった形で趣旨をまとめつつ、「ではその点について◯◯の側面からはどのように考えますか?」というように、この場で深堀りしたい点を探りながらその先の議論を展開させていきます。
発散されていく議論の中で必要な情報をリアルタイムで整理し、要点を押さえ、次の議論へと導くこの作業は、何度かファシリテーターを努めた中でも一番難しいと感じた作業でした。しかし回を重ねるごとに「押さえるべきキーワード」を感じ取れるようになってきた気がします。
最後に
ここまでファシリテーターの役割や、押さえておくべきポイントなどを紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
ファシリテーターとしての役割は、一見難しく感じるかもしれませんが、経験を重ねることで確実に成長できる場です。ぜひ、恐れずに挑戦してみてください。きっと、新しい視点や発見があるはずです。私もファシリテーターとしての経験を通じて、会議でも自然と相手の意見を引き出したり、議論を整理して進行できるようになりました。
この記事が、皆さんが次にファシリテーターに挑戦する際のヒントになれば幸いです。誰かが一歩踏み出すことで、議論はより深まり、学びは広がります。ぜひ、次はあなたがその一歩を踏み出してください。
補足:データウェアハウス開発部の学習支援体制について
データウェアハウス開発部の研修では技術的な勉強会はもちろんのこと、コンセプチュアルスキルを高めるために「ロジカルシンキング」や「クリティカルシンキング」といった思考ツールに関する勉強会も行っています。
また、勉強会そのものも大切ですが、今回のようにディスカッションの場で必要となる役割についても学びの対象と考えているため、ファシリテーターによるプレディスカッションの場を作るといった補助的な活動も行っています。
しかしいくら社内で勉強の場を増やしても、それだけでは不十分に感じることも多々あるかと思います。そこでデータウェアハウス開発部では個人で学習する場合、学習支援制度を利用して、Udemyの購入費や書籍代などの補助を受けることができます。私も今回に限らず、この制度利用して様々なノウハウやスキル習得に役立てています。
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