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急成長中のデータベースエンジニアが、開発プロジェクトリーダーになって学んだこと


JMDCは「健康で豊かな人生をすべての人のために」というミッションを実現するために、医療ビッグデータを活かして様々な事業を行っています。JMDCはキャリアの選択肢も多く、エンジニアからPL(プロジェクトリーダー)やPM(プロジェクトマネージャー)になるケースもあります。

今回、インタビューした垂水さんもその1人。2017年に入社し、2019年から医療データ基盤のプロジェクトマネジメントを行うPLとして活躍中です。そんな垂水さんにJMDCで成長できたことや今後の目標などを聞きました。

<プロフィール>
垂水 春樹(たるみず はるき)データウェアハウス開発部 保険者基盤グループ
2017年12月にマーケティング会社からJMDCに中途入社。当初はエンジニアとして開発業務に携わっていたが、2019年からはPLに抜てき。レセプト取り込みシステムの運用業務を担当する。

高校の授業をきっかけにデータベースエンジニアを目指す

ーーエンジニアを目指したきっかけを教えてください。

幼い頃からゲームに熱中していたので、1つのことを深く極める仕事をしたいなと思っていました。そんな中、高校の授業でプログラミングを初めて体験し、楽しいなと。自分で作ったプログラムがうまく動いた瞬間のすごく嬉しかった記憶が今でも残っています。そこから職業として、エンジニアが一番しっくりくるなと思うようになりました。

ーーゲームが好きということで、ゲームを作るエンジニアを目指したのでしょうか?

当初はゲーム開発者への憧れを持っていました。ですが、高校の授業でC言語を使ってゲームを作ってみたら、とても難しくて。そこで自分はゲームを作るよりプレイする側の人間だなと気づきましたね。

ならば、どんなエンジニアがいいんだろう?と考えた時に浮かんだのが、データベースエンジニアです。どんなシステムでもデータベースは中核にあるので、データベースに近い分野を極めたらエンジニアとして長く活躍できるだろうという市場価値の観点から、データベースのエンジニアを目指しました。

ーー大学卒業後、データベースマーケティング支援事業を行う会社に入社。この会社を選んだ理由を教えてください。

前職は登記簿や名刺といったデータソースから企業情報を収集・蓄積し、その情報を分析することで未開拓の業界や顧客を可視化して利益を増加させるBtoBサービスを展開していました。ビッグデータを扱っているということは優れたデータシステムを採用していると思ったのが、入社を決めた理由です。

入社当初はお客様からもらったデータを加工して社内のデータベースに登録するという業務を担当。お客様によってデータにばらつきがあり、データの価値や加工処理の重要さを学びました。その後、C#を使ったWindowsアプリケーションの開発なども行いました。

ーー高校生の頃から夢見てたエンジニアに実際なってみて、どうでしたか?

当然のことではありますが、お客様相手の仕事なので、速く正確に作らないといけません。データの加工登録業務において、スピードと質を両立させるためにはシステム化だけでなく、しっかりとダブルチェックを行うといったアナログな方法も大事だと学びました。

その学びから、システムや新技術で課題解決をする夢見てたエンジニア像から、実際の現場ではデータ品質の向上やシステム運用において泥臭さも必要なことに気付かされました。

良質なシステムに憧れ、JMDCに入社

ーーJMDCには2017年に入社されました。転職した理由を教えてください。

前職で働きながら、積極的に外部の勉強会やカンファレンスに参加していました。そこで、これまで触れたことのない先進的な技術やシステム構成を目の当たりにしたんです。エンジニアとして働くなら、良質なシステムを使って仕事をしたいと思い、転職を決意しました。

前職ではデータの分析システムにあまり予算をかけておらず、データウェアハウスとしてはやや不向きなStandardEditionのOracleを使用していました。パフォーマンスに難を抱えていましたが、予算を割けない事情があったので、改善もできず.......もっとシステムに予算をかけられる会社で働きたいという思いが日に日に強くなっていったんです。

ーー転職先として、JMDCを選んだ決め手は何だったのでしょうか?

システムにしっかり投資している点が最大の決め手でした。JMDCの募集要項に載っていたNetezza(IBM Netezza®)というシステムはかなり高額な製品であることは分かっていたので、こうした開発環境で経験を積んでいきたいと強く思いました。

ちなみに入社して2年後、NetezzaからIIAS(IBM® Integrated Analytics System )へとリプレイスしました。その際もJMDCのデータベースへのこだわりを感じましたね。システム選定から刷新するまでには多大な労力がかかるのですが、こうしたプロジェクトを間近で見られたのも大きな学びになっています。

ーー所属するデータウェアハウス開発部では、どんな業務を担当しているのですか?

データウェアハウス開発部の中で、保険者基盤グループに所属しています。保険者基盤グループは、レセプト取込システムの開発・運用を担当するグループです。レセプトとは診療報酬とも呼ばれる医療データのこと。JMDCは国内最大となる母集団1300万人、6億5000万件以上(取材当時)のレセプトデータを持っています。

私の役割は、レセプト取込システムのPLです。プロジェクトがしっかりとゴールに向かって進行するようにメンテナンスや他システム担当者との業務調整、チームメンバーのタスク管理などを行っています。

ーーレセプト取込システムの開発・運用ならではの特徴は何でしょうか?

最も大きな特徴は、2年ごとに行われる診療報酬改定への対応です。4月に厚労省から発表される改定内容をもとに、細かな仕様変更に対応し6月までに完成させなければいけません。改定内容を素早く正確にシステムに取り入れることが求められます。

たとえば2020年の改定ではオンライン資格確認という仕組みが導入され、データの種類が増えました。新しく増えたデータをデータベースに取り込めるように修正するのに、かなり苦労しましたね。また、私たちのシステムはデータを取り込む入り口にあたるので、後続のシステムに影響を与えることがあります。なので、関係部署とも連携を取り調整しています。

さらに、保険者が国民健康保険組合か社会保険組合かによって、データ仕様が異なる点も注意が必要です。国民健康保険組合には独自のルールがあり、そういったところにも配慮しながら日々、運用しています。

ーー前職でもビッグデータを扱う仕事をされていましたが、JMDCは医療ビッグデータを取り扱っています。どんなところに違いを感じますか?

医療データの中でも特にレセプトデータは、個人情報の塊です。個人情報の取り扱いは非常に厳しい規定があるため、情報が漏洩しないように、データはインターネットにつながらないオフライン環境で管理しています。そのため、クラウドを使って簡単にサーバーを作れない点が前職と異なっていますね。

▲JMDCのビックデータ事業の全体像

PLとしては、オフライン環境でデータを取り扱うシステムを構築するための技術やサーバーを用意するのに大きな労力をかけています。何よりも個人情報の保護が絶対の使命なので、責任感を強く持ちながら業務に向き合っています。

医療×データベースに特化したスペシャリストを目指して

ーーJMDCに入社してからの4年で、どんな点が成長できたと思いますか?

医療知識が増えたことと、プロジェクトのゴールを見据えて仕事できるようになったこと。この2点で大きく成長できたと思います。

エンジニアとしてコードを書く仕事をしたいという思いは今でもありますが、JMDCでPLの立場になって業務への心構えが変わりました。以前の自分はキラキラした技術への憧れが先行していましたが、システムを作るうえでは何よりドメイン知識が重要だと理解し、医療知識を積極的に学ぶようになりました。

たとえば、診療報酬請求事務能力認定試験という医療事務の資格があるのですが、そのテキストを買って、読み込んだり。専門用語が多く、読みづらいのですが、一つひとつ意味を調べながら勉強していくうちに、かなり医療知識が付いてきたかなと思っています。

また、PLになったことによって、プロジェクトのゴールをはっきりと意識するようになりました。入社直後は自分の目の前の作業を終わらせることに手一杯でしたが、今はプロジェクトを管理したり、方針を決める立場として社内の他のシステムのことも考えるなど視野が広がったと思います。

ーーJMDCの働く環境についてはどのように感じますか?

JMDCに入社して感じたのは、マネジメント層の方々がみなさんとても優秀だということです。マネージャー以上の立場の方に現場は守られていて、余計なことで精神が削られることなく、エンジニアは開発に集中できる環境だと感じます。

こうした環境を活かして、私自身は医療データベースに特化したスペシャリストを目指していきたいと思っています。引き続き業務知識を蓄え、医療データの専門性を高めていくのが目標です。技術面ではシステム構成を考える際に「このデータベースが適している」とパッと言えるくらい、スキルを付けて成長していきたいですね。